アクション・パルクール・ハイロー好きはアクロバトルクロニクルを見て下さい
超人的アクロバット能力を持ち、ウルトラヒーローとともに戦う新ウルトラ警備隊
「アクロバトルユニット」。
ウルトラヒーローとアクロバトルユニットが、過去と未来が交錯する世界をダイナミックに駆け抜ける!
未来を守るため時空を超えた戦いが、今はじまる――――。(公式サイトより引用)
アクロバトルクロニクルとは
簡単に言えば「ウルトラマンと人間とが協力して戦うヒーローショー」です。
ちなみに今作の正式名称は「ウルトラヒーローズ THE LIVE アクロバトル クロニクル2016」です。長いので略しました。
タイトルが長すぎるとTwitterで口コミを確認したいときにどう探せば良いのか困るのが難点ですね。
この記事では今後「アクロバトル」と略していきます。
で、このアクロバトルですが、住宅展示場で行われるようなヒーローショーとは全く違います。
何しろ「生身の人間がべらぼうに動く」。というのも、アクロバトルユニット(以下、隊員)を演じている方々が「体操」「パルクール」の分野で世界レベルの活躍をされているんです。
メインキャラを担当するのは、「春日照」隊員役として中野大輔さん(アテネ五輪で体操競技日本代表として団体金メダルを獲得)と「神宮寺攻」隊員役としてZENさん(パルクールパフォーマーの名で様々なメディアやステージを通してパルクールシーンの魅力と本質を伝える活動を続けている日本人初のプロトレーサー)。
ちなみにZENさんの最近のお仕事は「ファイナルファンタジーXV」のモーションアクターです。また、エンタテインメントプロジェクト「HiGH&LOW」ではパルクールを駆使して戦う青年「ピー」役として出演されています。
今回このショーを見に行くに至ったきっかけというのは、HiGH&LOWでの活躍を見て、ZENさんは他にどんな仕事をしているのだろうと興味を持ったからです。
ウルトラマンのこと知らなくても大丈夫?
大丈夫です。
私は今までウルトラマンシリーズを自発的に見たことがなかったのですが、「遠慮してチケットが売れ残るよりは行ってお金を落とした方が演者さんのためになる」という考えで、ろくに予習をせず見に行きました。
でも大丈夫でした。しかも、何人かの名前をおぼえて帰ってきました。
ストーリーは分かりやすく、しかし子供向け過ぎず。
アクションは体操とパルクール、ウルトラマンたちの演技の良さをそれぞれ十分に伝えてくれるものでした。人間が跳んで跳んで跳びまくる!
前年度公演のあらすじについては冒頭に映像つきで説明してくれますし、ウルトラマン同士で因縁の相手がいれば公演中の台詞で教えてくれます。
見知らぬウルトラマンが登場しても子供たちが叫んで名前を教えてくれますし、出演する隊員のみなさんは今シリーズのみの登場なのでニワカも何もありません。
ウルトラマンと隊員の見せ場はそれぞれ十分にあり、どちらか一方に偏ることはありませんでした。どちらも時々舞台から降りてきて、子供たちとハイタッチしながら歩き回ってくれます。
もしハイタッチがしたいのであれば、1階通路側の席を選ぶか、「アクロバトルシート」と呼ばれるシートの最前列を選ぶと良いでしょう。
ドラマや映画では見られない「一度きり」「カット無し」のアクションと演技、そして息づかい。そういったものを楽しみたいと思うのであれば、是非アクロバトルを見に行ってみて下さい。
ウルトラマン初心者が驚いたところ
ウルトラマンそれぞれに、チャーミングな個性がある。それが私にとっては一番の驚きでした。
こんなこと、ウルトラマン好きの人にとっては当たり前のことかとは思いますが……でも、びっくりしたんです。キャラによって声も全然違うし。「強くて誠実な良い人」なだけじゃなかったんですね。
個人的には、ミラーナイト(CV:緑川光)のキャラクターが好きだなあと感じました。
「悪のウルトラマン」たちがいるのも驚きでした。敵って怪獣だけじゃないんだ!と。
現実的な話、着ぐるみの怪獣よりもウルトラマン同士で戦う方が派手に動きやすいですしね。
悪のウルトラマンたちも「それぞれの悪」を持って戦っていたので、思わず応援したくなってしまいました。悪役が魅力的かどうかというのは物語の中でも重大なポイントだと思っているので、その点でも良かったと思います。
そして、ゴモラが予想外に可愛かった。本当に予想外でした。
ハイローファンに向けてもうひと押し
ここからちょっとテンション高めになります。HiGH&LOWをご存じでない方は読んでも意味が分からないかもしれません。
ZENくんがほぼ主役と言って良いポジションにいます。よく喋り、よく笑い、よく動きます。HiGH&LOWよりも遙かに長時間出演していますので、ピーちゃんが好きな人は悩まずに見て下さい。あんな風に無名街を飛び回るのだなあと思いを馳せることができます。運が良ければハイタッチも出来ます!
それと、ZENくんが見たいのであれば絶対にアクロバトルシート(お値段高め)を選ぶべき。距離の近さにブチ上がること間違いなしです。ちなみにこのシート、他の公演の様子を収録したDVDとパンフが特典で付いて来るので、ZENくんの演技を何回でも見られますし、ZENくんの動きに集中しすぎて他のキャラクターの演技を見損ねてもバッチリ復習出来ます。
演技中に表情がころころ変化するので、パルクール以外ではそういった所も見所です。
しかも常時着用するスーツ(紳士服ではなくピチッとしてるアレです)が細身の黒い所謂「ダークサイドに堕ちた」見た目のオリジナルスーツなんです。ただそこに立っているだけで存在感のある見た目です。完全に敵キャラの見た目なのに正義のヒーローなんですよ。なんかもう設定だけでワクワクしちゃいます。
(※2015年公演のネタバレ→悪のウルトラマン・ベリアルに支配されかけた結果、着用するスーツがベリアルに近い見た目に変化したらしいです。非常にセクシー。)
演技については「あれ?」と思わせる所が無く、安心して物語を楽しむことが出来ました。
この経験を生かしてハイローでももっと活躍して欲しいです。ザムービー後の無名街でのお話、俺たちずっと待ってますからぁ!!
もう一人紹介を忘れてはならないのが、名も無きルードボーイズとして登場している898(やくわ)さん。この方も、「火乃川修二」隊員役として、物語の美味しい役どころを演じています。ほんと美味しい!
ルードのモブって言われてもどこにいるのか分かんないよ!って方向けに。分かりやすい所で言うとシーズン1の第7話、ヤマトが無名街に潜入した際に鉄筋の上から見下ろしていた、白いターバンに赤髪を巻いた青年役をしているパルクーラーが898さんです。その他のシーンでも同じく赤い髪をしているのでわりと見付けやすいです。
ルードボーイズが好きな方も別地区の方も、一度彼らを応援しに行ってみて下さい。応援上映はありませんが、「がんばれー」と言って良い場面はあります。ペンライトは持ち込めませんが時計が光ります。あとみんなで力を合わせればビームも出せます。
SWORDの均衡だけではなく宇宙の均衡を守るルードボーイズ、最高です。やっぱりルードはつえぇなあ。
親子連ればっかりで行きづらいのでは?
客層としては親子連れが多いですが、 お一人様で見に来られている大人の方も散見されました。若い女性も近くの席だけで5名ほどは見かけましたので、心配することは無いかと思います。端っこの席を選べば、親子連れに挟まれることも無いでしょう。
上演中、どうしても興奮したお子さんの声が響くことがあります。ウルトラマンや隊員たちに向かって「がんばれ」と子供たちが呼びかけるのは自然なこと(あるいは風物詩)だと思うので、微笑ましく聞き流せるのであれば大丈夫だと思います。
ということで、興味を持ったという方はまずは公式サイトをご覧下さい。
チケット購入に不安があれば、2015年公演のDVDをレンタルするのも良いかもしれません。ちなみに、視聴後に今回の公演を見た方によると「2016年の公演の方が、15年からのストーリーが蓄積されているので断然面白い」そうです。
それと私、実はチケットをもう1枚買っていたので……また見に行ってきます!